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寅さん映画は、名台詞の宝庫である。『男はつらいよ - 寅次郎サラダ記念日』(第40作、1988年)には、受験に悩む満男が、何のために大学に入るか、何のために勉強するのかと、寅さんに聞く場面がある。早稲田大学に紛れ込んで講義を冷やかしてきた寅さんは、江戸川の堤防に寝そべりながら満男に答える。
”つまり、あれだよ、ほら、人間、長い間生きてりゃあ、いろいろなことにぶつかるだろう。な、そんな時、オレみたいに勉強していないヤツは、振ったサイコロの目で決めるとか、その時の気分で決めるよりしょうがない。ところが勉強したヤツは、自分の頭できちんと道筋立てて、はて、こういう時はどうしたらいいかな、と考えることができるんだ。
— 黒木登志夫『知的文章とプレゼンテーション』pp.8-9